Day2 美しいとは、自分の感性feel goodを大切にすることだという
実は、タイに暮らしていた4年間、本当の友達と言えるタイ人はいなかった。
タイの企業で働き、出会ったタイ人の同僚は数千人を超える。もしかすると、毎フライトごとにメンバーが変わり、深い付き合いになる前にお別れするという仕事の性質もあったかもしれない。
タイのことは好きだったし、タイにいた間、人間関係は最高のものだった。
いい出会いはたくさんあったけれど、それを紡げなかった、本当の理由は、当時のわたしは、自分をさらけ出すことが苦手だったからなのだと思う。
いや、さらけだすことができない、というより、自分が誰か?よくわからなかった。
こう書くと、ちょっと変な表現かもしれないけれど、自分が好きなことや、楽しいと感じること、あるいは反対に嫌いなこと、苦手なことを、はっきりと意識できるようになるのは30代に入ってからだと思う。
人と出会ったり、いろいろなことを体験する中で、その時に感じる自分の気持ちに意識を向けるようになったり、それをしっかりと言葉として表現できるようになったのは、つい最近かもしれない。
でも、そこから誰と一緒にいたいかがはっきりわかるようになった。そして、前みたい薄い関係でバイバイするのではなくて、ゆっくりお互いの未来について話せる友人が一人また一人と増えてきた。
そんなことを考えながら、バンコク郊外へ1時間走ると、雨が降ってきた。
郊外へ誰かを訪ねていくことも、はじめてだ。
新しく引っ越した家と、彼女のトレーニングルームを見たいと話していたことを覚えてくれていて、招待してくれたのはRadaだ。
Radaとは、バンコクで開かれていたNLPのトレーニングで出会った。おしゃれで、知的な人だなというイメージだったRadaは、カラーとイメージコンサルタントとしてバンコクで活躍している。その中で、人のイメージは、心の問題が大きく関係すると思い立ち、コーチングを取り入れるためにNLPを学んでいた。
お家は、Radaのセンスがいたるところに感じる一軒家で、バニラの香りがした。トレーニングの準備をするために、毎日大忙しだと語り、彼女のオススメのレストランへ。
エビのすり身を揚げたものにマンゴーソースのソムタムをあえて。
がっつりスペアリブも平らげながら、Radaといつか近い未来に二人でタイでリトリートツアーをやろうと話した。
私たちの共通点は、一つに決められないこと。いろんなことに興味があって、香りも、NLPも、コーチングも、ファッションも、マッサージも、空間も、すべてが人生にとって大事だと思っている。
職人さんのように一つに絞れなくて、一体自分の情熱はなんなんだろう?と悩んだこともあったけれど、そもそも一つに絞る必要なんて本当はなかったと気づくのに10年はかかった。
実は、これで悩んでいる人は、意外と多い。何か一つに絞らないといけないという脅迫観念に自分で自分をがんじがらめにしていたりする。私がそうだったから、気持ちはよくわかる。
10年たって、辿り着いた結論は、一つじゃなくていいということだ。
多くの場合、情熱、つまり、好きなことや、人に伝えたいことに「テーマ」がある。
私の場合は、それは、人生をよりよく生きること、幸せに生きること、リフレッシュしてリラックスるためには、どうしたらいいのか?そんな知恵を集めて、学んで、伝えることが好きなのだ。
一言で言えば、自分にとってのfeel goodを大切にすることが自分を大切にすることなんじゃないかと話した。
鏡を見て、肌がきれいならうれしいし、植物の香りのコスメを使うことや、似合う服を着ることも、そして自分を知り、他を理解するためにコーチングを学ぶことも、
すべて、feel goodにつながっていく。そんなことを二人でリトリートの中で体験してもらえたらいいなと話していたら、夜も更け、客はわたしたち二人になっていた。
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